富士山大噴火の一年後に将軍綱吉がこの世を去り、六代将軍には家宣がついた。将軍親政を意図する六代将軍家宣を新井白石と間部詮房が支え、〈生類憐みの令〉が廃止された社会は商品流通の発達で活気を帯び始める。
紀州藩主時代から賢侯ぶりが世評に高かった八代将軍吉宗は、米価の調整や新田の開発に力を入れ、〈米将軍〉と呼ばれた。幕府の懐を潤した米政策に加え、質素倹約などを進めた〈享保の改革〉により、吉宗は幕藩制国家を再建していく。
原案執筆・高埜利彦
〈目次より〉
序章 《火の児》誕生
第一章 甲府宰相と新井白石
第二章 六代将軍家宣の政治
第三章 繁栄する三都
付章 白石の『西洋紀聞』
第四章 絵島・生島事件
間章 《幸運児》吉宗
第五章 米将軍の財政再建
第六章 暴れん坊将軍の専制
付章 吉宗の好奇心
第七章 享保飢饉と百姓・町人
第八章 幕藩国家制度の充実
解説・高埜利彦