「授業中、席におとなしく座っていられず、教室内をウロウロ歩き回ってしまう」
「友だちと言い合いになった時、自分の考えを上手く説明できず、つい手を出してしまう」
「ちょっとからかわれただけで大声を上げて泣きじゃくり、パニックを起こしてしまう」
「学校の勉強についていけないわけではないけれど、周囲の子が当たり前にやっていることが全くできない」
「うちの子、ちょっと変かも」
そう悩んでいるお母さん、もしかしたらお子さんは発達障害かもしれません。
発達障害というのは、先天的な脳の器質異常によって起こるもので、共感性に乏しいとか、落ち着きがないといった症状が現れますが、知能や身体的な発育には問題がないことが多く、症状が軽度の場合、そのほとんどが見逃されてしまいがちです。
近年、大人の発達障害が注目されていますが、成人している発達障害者の多くは、子どもの頃に療育などの適切なケアを受けることなく大人になったのです。
彼らは、ずっと「どうして私は当たり前のことが当たり前にできないのだろう」という劣等感を抱え、社会に馴染めない自分を責め、悩んできたのです。
本書の著者も、その中のひとりで、コミュニケーション不全、強い不安と恐怖、激しい劣等感、虚弱体質などの諸症状に苦しみました。
そこで著者は発達障害の知識の習得に取り組み、発達障害本の改善法を研究。そして、その改善法を自分自身で試したところ「典型的な症状」が半減、26歳で社会復帰します。
その噂を聞きつけた同じ障害で悩む人たちが口コミで相談に訪れるようになり、著者の改善プログラムは、発達障害に悩む多くの人の間で評判となりました。
発達障害の改善は、大人になってからでも可能ですが、子どもの頃から適切な対策を行ったほうが、はるかに有効です。
療育の開始は早ければ早いほど効果があります。
著者の発達障害の改善プログラムは、何か特別なことを行うのではなく、普段の生活習慣を一つひとつ修正していくことに主眼が置かれています。
しかし、何らかの都合で著者のセッションを受けられない人もいます。このような人々のために本書があります。
本書では発達障害を持つ子どもに起こりがちなトラブルや親御さんの気持ちの持ち方について、実際のセッションでの事例を交えつつ、できるだけ具体的に解説してあります。
本書で紹介している改善法は、今日からできることばかりです。
子どものときに発達障害の対策をしておくことで、その子の長い人生がずっと楽に生きられるようになります。