人気シリーズの初級編。20人の著名な日本人の物語を通して日本社会や文化を学び、考え異文化理解と自己表現力の向上を目指す。初級(N4)程度の語彙や文法を習得し、読解スキルを向上させ、総合的な理解力を養う。
「はじめに」より
初級レベルは語彙と漢字、文法が限られているため、学習者の好奇心や興味に沿ったトピックの読解教材を見つけるのが難しいという問題があります。 また、初級レベルから、「読む・書く・聞く・話す」の四技能に加え、社会言語能力などを含めた、総合的な日本語能力を身につけることが必要とされているにもかかわらず、実際の初級レベルの授業では「聞く・話す」に重点が置かれる傾向があるように感じます。このような現状を踏まえ、本書は、初級レベルの学習者でも、知的好奇心を刺激しながら読める読解教材を目指しました。
『The Great Japanese 20の物語[初級]人物で学ぶ日本語』は、初級半ば(約60時間80時間)から初級後半レベルの学習者に向け、次の2つの目標が達成できるよう作成しました。まず、日本語能力試験におけるN4程度の単語や文法に加え、読解のスキルを身につけ、総合的な読解力を伸ばすことです。初級から中級に進むと、会話中心の授業から読解を中心にした授業に移行し、初級とは違うことに驚いてしまう学習者も少なくありません。ですから、本書では、学習者が精読や速読(長い文章を速く読んだり大意を理解したりするなど)を通して、中級レベルにスムーズに移行できる日本語能力を身につけていくことを目標にしています。
2つ目の目標は、日本の社会や文化などについて日本語で読んで、考え、そして、表現することです。日本の社会や文化についての知識を深めることは、言語習得とともに大切なことだと思います。また、日本の社会や文化を自国のそれと比較し、それらについて他者の考えを聞くことによって、他者や様々な異文化への理解を深められると考えます。さらに、この過程において、自分の考えが上手く表現できるようになることも目指しています。
「目次」
1.葛飾北斎
2.渥美清
3.相田みつを
4.羽仁もと子
5.松岡佑子
6.岡本太郎
7.舘野泉
8.さかなクン
9.向井千秋
10.北里柴三郎
11.菅原道真
12.大鵬
13.大坂なおみ
14.人見絹枝
15.小林一三
16.宮本茂
17.辻信太郎
18.鈴木光司
19.新海誠
20.キャンディーズ