目に見えず直接観察できない人間の言語能力をどのように分析するか。言語に関わる脳内の認知システムの解明に取り組む研究を掲載。「正しいデータ収集の方法」「適切な対象者」「データの説明が理論に基づくこと」を重視した。
■「まえがき」より
突拍子もなく聞こえるかもしれないが、言語は月の満ち欠けのように自然現象のひとつと捉えることができる。日本語や英語などの言語は、コンピューター言語などの人工言語のエスペラント語のように意識的に人間が考えて設計したものではなく、自然に発現したものである。それゆえ「自然言語」と呼ばれる。実は、第二言語も、第一言語と同様に自然言語の特徴を有している。
第二言語習得研究の科学シリーズの第3巻は、そのような自然言語を習得するための「人間の能力」に焦点を当てたものである。つまり、言語に関わる脳内の認知システムの解明に向けて取り組む研究を掲載している。言語(習得)の能力は、目に見えず直接観察することができない。そのため可視化が必要である。
■「シリーズまえがき」(第1巻)より
本シリーズの各章は、大学で言語習得・言語指導・言語学を学ぶ学部生および大学院生を念頭に置いて書かれている。外国語を勉強中の方や教えていらっしゃる学校現場の先生方にも、これらの研究の魅力に触れていただけることを願って編集した。また各章の章末に、著者からの「外国語教育にかかわる人が知っておくべきポイント」「執筆者から読者へのメッセージ」を掲載した。こちらもぜひ参考にしていただきたい。
■編者
大瀧綾乃(静岡大学)
須田孝司(静岡県立大学)
中川右也(三重大学)
横田秀樹(静岡文化芸術大学)
■執筆者一覧
畠山雄二(東京農工大学)
本田謙介(茨城工業高等専門学校)
田中江扶(信州大学)
松村昌紀(名城大学)
横田秀樹(静岡文化芸術大学)
白畑知彦(静岡大学)
スネイプ・ニール(群馬県立女子大学)
鈴木孝明(京都産業大学)
村野井仁(東北学院大学)
尾島司郎(横浜国立大学)
冨田祐一(学習院大学)