通り魔。クレーム魔。はき違えた「自由」。戦争。
世の中で「やりたいようにふるまう」「己の思うままに行動する」ことが横行している。
社会的な生物であると同時に、「個」でもある「人間」という存在。
個が好き勝手に生きることで、社会には軋轢が生じ、集団のストレスが増していく。
「恣意的」であるとはどういう状態か。どこまでが許され、何が問題となるのか。
著者は、ソシュールやプラトン、デカルト、ハイデッガーといった哲学者・社会学者の著作に立ち返り、哲学的な視点から現代の「個と社会」の在り方について考察する。
才気溢れるのに、愚かなことをしでかす生き物わがままで「恣意性」に満ちた生き物「人間」の本質にせまる一書。若い世代に向けて、現代的な視座に立った「生きた哲学」の入門書の登場だ。
一部 「恣意性」とはどのようなものなのか
一 「恣意性」は人の社会にどのように現れるか
二 人が持つ「恣意性」の特異性他の動物は何でないのか
三 「恣意性」がもたらした人の社会の在り方
四 「恣意性」から来る意味付けのブラス面
五 社会機構の基礎となる意味付け
二部 「恣意性」の起源・・・・・何処から来るのか。
六 言語とは何か
七 「恣意性」はどのようにして生まれたか
八 迷いと定位と生き甲斐・・・・アイデンティティ