暴力とグロテスクと哄笑に彩られた
南部犯罪小説の伝説的傑作、登場。
フラナリー・オコナーの異形の後継者にして、
コーマック・マッカーシーの先駆的存在、そして
マイクル・コナリーの創作の師、ハリー。クルーズ。
エルヴィス・プレスリーが自らの主演で映画化を熱望した
衝撃の一書が、遂にそのヴェールを脱ぐ。
ディープ・サウスの「地獄」にようこそ。
ジョージア州エニグマは、行き止まりの町
だ。牢には黒人の大男ウィラリーが囚われ、
葬儀屋には彼が惨殺したメリーベルの遺体
が安置されている。そんな町の誰もが、ゴ
スペルシンガーの帰還を待ち望んでいた。
町出身の輝ける成功者。美しい容姿と天使
の歌声を持つカリスマ。メリーベルの恋人。
奇跡を行う者……。その彼が町に帰って来
る。黒いキャデラックに乗って。アメリカ
南部を舞台に、人の愚かしさと世界の混沌
を、魂と臓腑をえぐる危険な筆致で描き出
す衝撃の一書、邦訳なる。(解説・吉野仁)
扶桑社ノワール・セレクションから
ジム・トンプスン『ポップ1280』
チャールズ・ウィルフォード
『拾った女』『コックファイター』
エリオット・チェイズ
『天使は黒い羽根をもつ』
ウィリアム・リンゼイ・グレシャム
『ナイトメア・アリー 悪夢小路』
キム・オンス『野獣の血』