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  • 発売日:20241223
  • 出版社:白水社
  • ISBN/JAN:9784560094716

日本論・日本人論

平和の遺伝子

平和の遺伝子

池田 信夫(著)

通常価格 1,870 円(税込)
通常価格 セール価格 1,700 円
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商品説明
この国はなにを失ったのか? 
日本社会の同調圧力について抉り出した池田信夫『「空気」の構造』(白水社)の刊行は二〇一三年のことだった。山本七平の『「空気」の研究』(文春文庫)を導きにした斬新な日本論として、朝日新聞ほかで書評された。同書で大きく依拠したのは玉城哲・旗手勲『風土』(平凡社選書)をはじめとした「水社会」(灌漑農業)の同調圧力だった。
 著者はその後、日本社会に巣食う同調圧力の起源の追及を本格化させていく。そうしたなかで注目したのが、丸山眞男の「古層」論だった。一連の探求は『丸山眞男と戦後日本の国体』(白水社)に結実している。
 著者の「空気」をめぐる研究はコロナ禍を受けてさらに大きく展開していく。本書『平和の遺伝子』では、進化心理学や歴史学の最新動向を思い切って取り入れ、定住社会への移行に焦点を当てている。とりわけ縄文時代に注目し、そこに「国家に抗する社会」、日本型デモクラシーの原型を見出す。
 グローバル化の進展で定住社会に楔が打たれ、ユーラシア大陸を中心に勢力図が一変しつつある昨今、日本社会はどこに向かうのか? 『「空気」の構造』以来、十数年の思索の結論! 渾身の書き下ろし。
目次
 はじめに
 序章 新型コロナで露呈した「国家の不在」
  リスクをきらう古い脳/ゼロリスクの法則/人はなぜリスクを錯覚するのか/コロナ専門家の暴走
I 暗黙知という文化遺伝子
 第一章 文化はラマルク的に進化する
  文化は学習によって蓄積される/個体レベルと集団レベルの淘汰/協力する猿/集団淘汰の法則/遺伝と文化の共進化/大きな脳が「共同主観性」を生んだ/利己主義は合理的ではない/偏狭な利他主義
 第二章 「自己家畜化」が文化を生んだ
  脳は「空気」を読むためにできた/理性は感情の奴隷/理性は人間の本質ではない/言語を生んだ「自己家畜化」/新しい社会ダーウィニズム/閉じた社会とチキンゲーム
II 国家に抗する社会
 第三章 縄文時代の最古層
  人類を変えた「定住革命」/農耕なき定住社会/贈与というコミットメント/感染症がケガレを生み出した/日本人はなぜ「無宗教」なのか/縄文式土器は何の役に立ったのか/国家を拒否した縄文人/剰余を蕩尽して平和を維持する/アイヌは縄文人の化石/国家に抗するアナーキー
 第四章 天皇というデモクラシー
  戦争は人類の本能か/農耕が戦争と国家を生んだ/世界宗教は国家とともに生まれた/水田稲作が生んだデモクラシー/古墳時代からヤマト王権へ/「男系の皇統」は存在しなかった/天皇家は「ウルトラマンファミリー」/「まつりごと」の構造
III 「国」と「家」の二重支配
 第五章 公家から武家へ
  「職」の体系/表の「国」と裏の「家」/「氏」から「家」へ/武士は京都で生まれた/核家族から直系家族へ/遊牧民が世界史をつくった/国家権力をきらう「無縁」の原理/無縁の民はなぜ自由を求めたのか/一揆は移動民の結社
 第六章 長い江戸時代の始まり
  凍結された戦国時代/関ヶ原で決まった権力分散/蕩尽で平和を守った徳川幕府/幕府という「無頭の合議体」/喧嘩両成敗の法治主義/主君押込の構造/稟議というデモクラシー/権力の分散する「ジャンケン国家」/勤勉革命のエートス/「正社員」としての百姓/武士の「自己窮乏化」/水戸学と尊王攘夷
IV 近代国家との遭遇
 第七章 明治国家という奇蹟
  長州が戦国時代を解凍した/廃藩置県は「居抜きの革命」/天皇はキリスト教の代用品/部分が全体を決める軍隊/自転する組織/軍国主義は普通選挙から生まれた/大政翼賛会という幕府
 第八章 平和の遺伝子への回帰
  日本国憲法は押しつけだったのか/自民党は「小農の党」/小農から中小企業へ/家畜から社畜へ/高度成長を支えた「家」からの逃亡/万年野党を支えた平和の遺伝子/自民党と大蔵省の二重支配/安倍首相の破壊した「まつりごと」の構造/日米同盟という「院政」/平和国家の生存バイアス
 第九章 大収斂から再分岐へ
  冷戦終了と大収斂へ/資本主義がプロテスタンティズムを生んだ/グローバル化できなかった半導体産業/デフレの正体は製造業の空洞化だった/ハートランド対リムランド/ユーラシア国家の時代/新しい冷戦
 終章 定住社会の終わり
  新しい中世末期/「小さな政府」は可能か/定住社会から移動社会へ
 索引/註
  • 発売日:20241223
  • 出版社:白水社
  • ISBN/JAN:9784560094716
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