考えるヒントを求める人へ
人間と社会を深い洞察で解き明かしてきた著者が、
パリ第八大学でフランスの学生に説いてきた
知のあり方、方法論。
創造を称揚する貧困な常識を捨て、
もう一度考え直そう。
なぜ学ぶのか、なぜ知りたいのか。
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矛盾の解き方を先達からどう学び、どう活用するか
文献収集や調査の方法、論文の書き方、
斬新なテーマを見つけるコツなどの技術やノウハウの前に
学ぶべき、もっと根本的なことがある。
『社会心理学講義』も方法論だったが、
本書は社会科学全般に視野を広げるとともに矛盾の一般的解法に焦点を絞った。
多様な分野の知見を一緒にした時、隠れていた矛盾が露呈する。
見過ごしてきた問いに気づく。
その際に型が果たす役割の分析が本書の仕事である。
「はじめに」より
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[目次]
第一章 創造性という偽問題
第二章 矛盾を解く型 同一性と変化をめぐって
第三章 主体虚構論の舞台裏
第四章 モスコヴィッシの贈り物
第五章 躊躇と覚醒
第六章 社会は制御可能か
終章 残された仕事