建築家・山本理顕は2024 年、建築界のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞を受賞した。
山本は私生活と国家の中間にある集団としての「コミュニティ」や地域社会と建築との関係をつねに問うてきた。
今回のプリツカー賞選考委員長は、チリを拠点とするアレハンドロ・アラヴェナは同賞2016年の受賞者でもあり、低所得者のためのハウジング・プロジェクトで知られる。プリツカー賞は、「ソーシャル・アート」評価の方へ流れがあるようにも読める。
今回の『都市美 臨時増刊号』では、山本のプリツカー受賞を振り返り、フランシス・ケレ、ラカトン& ヴァッサルといった近年のプリツカー受賞建築家とのディスカッションを掲載している。そして、1970 年代以降山本がフィールドサーヴェイや設計活動を行うなかで発表した代表的な論考を複数掲載する。
山本理顕とは何者か、本号で改めて詳らかにする。
[目次]
Ⅰ部 プリツカー賞受賞
山本理顕、2024 年プリツカー賞受賞
プリツカー賞について
2024 年プリツカー賞受賞記念講演+ディスカッション
プリツカー賞受賞に寄せて
プリツカー賞受賞後日誌
Ⅱ部 山本理顕 著作・論文・対談選集
装飾論(卒業論文)
住居の意味論的構造(修士論文)
クリストVS 山本理顕
設計作業日誌77 / 88―私的建築計画学として
ほか
Ⅲ部 山本理顕論
植田実
原広司
松山巖
布野修司
山本理顕 年表