小川哲の精緻な設計は、眼と舌、移動と思考を等価であるかのように見せかける。
凄い。とても、凄い。
──京極夏彦
多様性が声高に叫ばれる現代に於いても、
掬い上げられることなく無視され排除されていく人々をその内面から描いた、挑戦的な快作。
──金原ひとみ
世界の隅から吹き寄せられた言葉の切れ端が、
列をなし、「文」になり、拳となって、今あなたの隣に座る。
──飛浩隆
ヒリつく不安 積まれる緊張 ピリつく世情 生まれる破局
全てに病みつきになりました!
──魚豊(『チ。』『ようこそ!FACTへ』)
ボルヘスを理系的センスで再構築した超欺瞞世界!
──マライ・メントライン(エッセイスト)
「理由がほしい。物語がほしい。
正義のヒーローが現れて、黒幕の悪事を暴き、世界を変える、そんなお話であってほしい。
自分はその物語の登場人物でありたい」──
SNS上のカリスマアカウント〈スメラミシング〉を崇拝する”覚醒者”たちの白昼のオフ会。かれらを観察する陰謀論ソムリエ・〈タキムラ〉の願いとは? 壊れゆく世界の未来を問う、現代の黙示録。宗教 ? 超弩級エンタメ6篇を収録した絶品作品集!
小川哲(おがわ・さとし)
1986年、千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年、「ユートロニカのこちら側」でハヤカワSFコンテスト大賞を受賞しデビュー。2017年刊行の『ゲームの王国』で山本周五郎賞、日本SF大賞を受賞。2022年刊行の『地図と拳』で山田風太郎賞、直木三十五賞を受賞。同年刊行の『君のクイズ』が日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門受賞。