本書では、数学の魅力を切絵を切り口にご紹介します。切り絵は、岡本健太郎先生が実際に作成された作品です。数式から得られた図形を地道に切り抜いていくと、あっと驚くきれいな作品ができあがるのです。そのようにできた切り絵を何層にも重ね、背景の色のバランスまで考え抜かれて構成された作品はアートそのものです。奥行が現れる点も切り絵ならではの特長で、それによりフラクタルやトポロジーなどをより具体的に観察することができます。各作品には丁寧な数学の解説を付けます。切り絵の美しさだけではなく、数学のいろいろな姿を存分に堪能できる1冊です。まるで美術館にいるような感覚に浸ってしまうでしょう。