1989年6月4日。強権独裁「習近平中国」のルーツはここにある。日本の外交官たちはその日、「人民の流血」をいとわない中国共産党の本質を見抜くべきだった。「今孤立させると排外的になる。いずれ民主化する」。計3・6兆円の援助を注ぎ込んだ日本政府は皮肉にも中国を排外的な「モンスター」に変えてしまった。
建国以来最大の危機だった天安門事件を通じて「強国」となった中国。その背景には、中国共産党と裏で手を握る米国、実利優先の欧州、常に米中の「呪縛」から逃れられない日本の存在があった。ウクライナ戦争・台湾有事で中国はどう動くか。その答えは、33年前の極秘記録にある。日本はどうすべきか。歴史の教訓を読み解く。
日中国交正常化50年の節目に一石を投じる渾身のドキュメント。
■序章 「歴史の分かれ目」の対中外交
■第一章 北京戒厳令の極秘記録
■第二章「六四」は必然だった
■第三章 外務省の「無策」
■第四章 北京「内戦」下の日本人
■第五章 日本にとって「望ましい中国像
■第六章 米中は裏でつながっていた
■第七章 日本の「敵」は米欧