「地下防御陣地を構築し、敵軍の攻撃を可能な限り阻止せよ」という命令を受け、エルメア王国の辺境の地で勝機の見えない防衛戦に挑むことになった自律型根拠地設営精霊「識別番号丙三〇五六号」。召喚した魔物の中から、アラクネのテラーニャを片腕とし、陣地を構築し、死地に赴くがごとく戦い続けた結果、辛くも拠点を守り抜くことが出来た。
勝利の余韻に浸るのもつかの間、三〇五六号は新たな襲撃に備え、拠点の再構築と防御を図るため軍備を拡大していく中、敵方に放った物見から、拠点を襲撃したのはイドの街の代官マクレイドの軍勢だったとの報告が届く。しかも報告によると、マクレイドは、イドの街に駐留する宰相ナステルの腹心であるバトラ伯の軍勢を出し抜いて己が出世したいがために独断で拠点を襲ったというのだという。敵方が一枚岩ではないことを察した三〇五六号は、バトラ伯の軍勢が「本命」と目しているイビラス公との同盟を決意。公と会談するため、冒険の旅に出るが……。