“罪”には“罰”を。ならば少年たちの願いは、裁かれるべきなのか──。 さえない高校生・信太郎。彼と幼なじみの4人には、他の誰にも知られてはならない宝物があった。それは暗い洞窟に眠る、5年前に彼らが犯した大罪の証拠……。高校2年の夏、彼らの秘密に忍び寄る影が。姿なき敵の暗躍に、5人の距離が変わり始める。 とっくに血に染まったその腕で、秘密と友情は守り抜けるのか。 美麗な筆致で綴られる新世代のクライム・サスペンス開幕!!
犯した罪と、深まりゆく謎。真相の断片を組み合わせ、象られたのは、わかりきっていた答え。遠まわりをした。ずいぶん、長く。月明かりの下、ようやく罪は受肉する。だが、重ね続けた過ちが帰り路を塞ぐ。夜の底から暗い声が響きはじめる。怨嗟、呪詛、悲嘆の鳴き声が終わりを告げる。多くの生贄を捧げた末に辿り着いた場所にあった「それ」が、総ての根源なのか……?