妻に恋人? 許せない 男の身勝手なのか、愛なのか
永遠のテーマ、愛を描いた傑作
愛人の部屋へ乗り込んだ妻・志麻子。女と女の闘いを、見守るしかない省吾であった。そんななか、盗み見を続ける妻の日記に男の影が現れる。学生時代の恩師と急接近する妻。夫の心配をよそに2人はついにホテルで……。夫婦、そして愛人関係をじっとりと、かつ華麗に描いた渡辺文学の傑作。ついに文庫化。
もしここで、夫以外の誰かを愛することができれば、それを生きていく活力にしていけるのだろうか。<「冷却」の章 妻・志麻子の日記より>
「きれいだわ」
無数の明かりが煌めく東京の夜景の前で先生と寄り添っていると、なにか夢の世界に紛れ込んだような気がしてくる。<「変心」の章 妻・志麻子の日記より>