橘論里は中学2年生の男子。母親と、血のつながらない父親と、妹・有里と暮らしている。学校では、開校20周年記念の行事をやることになり、論里は実行委員にさせられる。校庭に描くことになった冬の星座に思いをはせながら、論里は自分と自分をとりまく人たちのことを考えはじめる。生まれるときも死ぬときもひとりきり。だけど、だれにも迷惑かけずに存在できるものなんか、どこにもない――。
主人公の橘論里(たちばな・ろんり)は中学2年生の男子。母親と、血のつながらない父親と、妹・有里(あり)と暮らしている。
ある日、学校から帰ると、母親が書き置きを残していなくなっていた。冗談かと思ったら、趣味のカメラを持って、撮影旅行に出てしまったのだ。しかも、いつ帰るかわからない。母親不在のまま、楽天的な父親と妹と、不格好ながらもなんとか生活を送っていくことになった。
学校では、開校20周年記念の行事をやることになり、論里は実行委員にさせられる。仲がいい轟元気(とどろき・げんき)と、変人の水原白(みずはら・ましろ)とともに、おずおずと活動をはじめる。
校庭に描くことになった冬の星座に思いをはせながら、論里は自分と自分をとりまく人たちのことを考えはじめる。
生まれるときも死ぬときもひとりきり。だけど、だれにも迷惑かけずに存在できるものなんか、どこにもない――。人と人との「つながり」は、こんなにももどかしく、こんなにも愛おしい!