八人の魔王の息子・アルの専属メイド・シルヴィアは
気力だけで立ち続けていた。
“勇者一行”と目されるソレは、
人語を操り、斬っても再生し、圧倒的質量で猛攻を加えてくる。
アルをかばい共に奈落へ落ちた彼女の胸には、しかし、
王座に座るアルを見届けたいという、切なる想いが残っていた。
覚悟はできていたはずなのに、
自分が本当は迷いを抱えたままだったと気づくシルヴィア。
ソレの最期の一撃が迫る刹那、その腕が吹き飛ぶのだった。
「ウチのメイドがずいぶん世話になったな」
解析と開発の魔法を武器に、
壮絶な死闘が火花を散らす冒険ファンタジー第2巻、いざ開幕!