楊貴妃は日本人? 淀君は大坂城で死ななかった? 歴史の隙間に顔を覗かせる奇説・珍説の数々。放埒な想像力を杖に、正史に影のようにつきまとう「妄想」から日本の歴史を読み直す、井上流日本史幻視紀行!
〈目次〉
まえがき
第一章 英雄たちの夢の跡
将門の首塚と丸ノ内
「本当の義経は北海道に来たんです」
大名におちぶれて
信長は、どう「敦盛」を舞ったのか
坂本龍馬が浮かびあがるまで
西郷隆盛は西南戦争で死ななかった?
血染めのハンカチが語るもの
第二章 あやかしども、魅せられて
羊と田胡碑──埋もれた十字架
「たんたんたぬき……」を、さかのぼる
名古屋にシャチがあふれる訳
第三章 キリスト教とキリシタン
高野山にキリスト教はとどいたか
島原の乱は、原城の下にうめられた
『沈黙』の読みかた
第四章 関東か関西か
「弥生式」「弥生時代」に異議あり
邪馬台国はどこにあったのか
源頼朝が娘にたくした夢
『吾妻鏡』の「関西」は
第五章 美男と美女の物語
采女のさだめ
美しいし外交官──日本を代表する男たち
楊貴妃は熱田神宮にねむっている
小野小町の美人力
淀君は利根川に
ハリスとブロンホフから、女の歴史が見えてくる
第六章 建築幻視紀行
三内丸山遺跡が、さかりをすぎた時
大阪の池上曾根遺跡に神殿はあったのか
法隆寺に“エンタシス”があるという物語
出雲大社に原形は
やまあいの一乗谷遺跡に、市中の山居を見る
安土城の天守閣を復元する
八紘の塔は、戦後も生きのびて
「大和」は、永遠に世界最大の戦艦である
終章 日本中世史のえがき方
あとがき