気づくと異世界のとある国の王子・オルガに転生していた俺は、どうにかして過酷な王位争いから降りるべく、大国の皇帝が新たな側室を探しているらしいという知らせを聞いてある決意をした――「命をとられるくらいだったらその皇帝に尻を差し出そう」と。思惑通り輿入れを果たしたオルガは、かの決意とは裏腹に後宮入り後も皇帝に呼ばれることなく、無事に平穏な日常を手に入れることに成功した。ある日、日課の剣の鍛錬を終え、暇を持て余していたときに迷い込んだ庭で一匹の犬に出逢う。その犬に心を許したことで、つい前世についてや孤独な胸のうちを打ち明けていたが、なんとそれは皇帝の仮初の姿だった……! そこから興味を持たれてしまった俺は、皇帝から目を付けられるようになり!?