森でたった一人暮らすハリネズミ。ある春に、物知りのモグラとともだちになりました。目がよく見えなくて土の中に暮らすモグラと、土の上に住んでいるハリネズミでは、見えるものも、好きなものも違います。心配症でおせっかいのハリネズミはつい、モグラの家は暗すぎるんじゃないか、とか、きれいな花を見せてあげたい、とか思ってしまうのですが、モグラにはモグラの世界があることに少しずつ気づいていきます。そして、二人にはもっと大きな違いがありました。命の長さです。いつかやってくるお別れにも、ハリネズミのためにモグラはちゃんと準備をしていたのでした。
二人のやりとりがあたたかなユーモアとともに描かれた短いお話8つ収録。