2018年に逝去したかこさとし氏は、240余りの小さなお話の原稿を残し、自ら編んで、さまざまなお話の種類に分類していました。
「動物のおはなし」「日本のむかしばなし」「生活のなかのおはなし」「世界のおはなし」です。まだ本にしていないお話や、雑誌に掲載されたり、
紙芝居としてかかれたお話を、亡くなる直前まで手を加えたり挿絵を描いて、童話集として編集をしていたのです。
どの巻も、文字を読み始めた小さな子から小学生くらいの子どもたちに向けて、どこから読んでも楽しめるおもしろいお話をいっぱい収録しています。
7巻は、3冊あるうちの「生活のなかのおはなし<その2>」。かこさんが描かれたお話には、子どもたちの生活を描いたものがたくさんあります。
それには生活に即して、社会への目を養い、民主的な話し合いを通してものごとを解決しようというねらいがありました。
作品を通して自分から考え想像力を広げ、創造的に活動する子どもたちへの希望を感じることができます。
言葉のおもしろさを書いたお話、帰郷の際、汽車での長いトンネルの中で感じとった不思議な感覚を描いたり、
いじめのあるクラスでのできごとをリアルに描写したお話、化学の実験道具をキャラクターに、社会的な問題を描いたユニークなお話など、ここには18話を収録。