わたしたちは5人きょうだい。だから、なんだって5で分けなくてはなりません。
牛乳1本、ひとふくろのお菓子、りんごにチキン、せんぷうき、キックボードも、たった一人のおじさんも。
ほしいものを手にするために、きょうだいそれぞれが知恵をしぼり、個数や体積、角度や時間をすばやく考慮しながら、言葉をつくしてアピールしたり、算数を駆使したり、道具を工夫したりして、毎日たくましくサバイバルしているのです!
じっさいに5人きょうだいの次女だった作者の、子ども時代の体験から生まれた楽しい物語。シンプルな絵柄ながら、読むごとに、5人の性格のちがいや、随所にちりばめられた遊び心など、ユーモアのセンスが光る細かいディテールが見えてきます。
とびきり愉快で、読後にはふわりと幸せな余韻がのこる、韓国発の絵本です。
「今日も、だれとも分かちあえないまま流してしまったことがたくさんありました。そんな、形も味もまちまちな日々の小さな物語を、本に託して分かちあいたいです。わたし一人では限界があるけれど、本にはできると思います。この分かちあいが、みなさんのおなかをしっかり満たしてくれますように。」(作者あとがきより抜粋)