本屋大賞とは?2025年ノミネート作品と歴代受賞作のおすすめポイントを一挙紹介!

2025-03-21

本屋大賞とは?2025年ノミネート作品と歴代受賞作のおすすめポイントを一挙紹介!

本屋大賞は、全国の書店員が「最も売りたい本」を選ぶ文学賞です。2025年のノミネート作品が発表され、話題作が勢ぞろい。今年はどんな作品が書店員の心をつかんだのか?この記事では、本屋大賞の仕組みや選考の流れとともに、最新のノミネート作品や歴代の受賞作の魅力、おすすめポイントを一挙に紹介します。

関連記事:『本屋大賞2025年決定!!』は→コチラ から

毎年話題となる「本屋大賞」とは?

本屋大賞は、全国の書店員が「自分がおすすめしたい」「読者に手に取ってもらいたい」と感じる作品に投票し、ランキングを決定する文学賞です。純粋に“読者目線”で選ばれるため、受賞後には売り上げがさらに上昇するなど大きな話題を集めています。ここでは、本屋大賞の概要や特徴を見ていきましょう。

本屋大賞の概要

本屋大賞は2004年にスタートした文学賞。

全国の書店員が「面白い」「売りたい」と思う作品に投票し、ランキングを決定します。純文学系の賞とは異なり、読者目線で「人に勧めたいかどうか」が選考基準になるため、多くのベストセラーを生み出してきました。

  また、プロの選考委員による審査ではなく、書店員が実際の売り場で接客する中で「本当に人に勧めたい本」を選ぶ点が特徴的です。そのため、受賞作品の多くがベストセラーになり、映像化や翻訳などのメディア展開につながるケースも多く見られます。

「公的機関や文学界の権威よりも、現場の生の声が重視される」という点が、本屋大賞の最大の魅力です。受賞作の中には、一躍ベストセラーとなり、映像化などのメディアミックスに発展するものも少なくありません。

「書店員が選ぶ」という、唯一無二の特徴

本屋大賞の最大の特徴は、「書店員が売りたい本を選ぶ」という点です。小説のクオリティや文学性だけでなく、「より多くの人に読んでほしい」という想いが込められた投票が行われます。

書店員は、読者への接客を通じて得た反応をもとに推薦作品を決定。SNSや店頭フェア、POPなどを活用しながら、作品の魅力を広く発信しています。

過去の大賞作品とその影響

本屋大賞の受賞作品は、受賞後に一気に売り上げを伸ばし、社会現象となることも少なくありません。例えば『告白』(湊かなえ)や『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ)などは、本屋大賞を機に話題作となりました。

 映像化や海外翻訳など、「本」の枠を超えて影響を与えるのも本屋大賞ならではの特徴です。

2025年本屋大賞ノミネート作品

2025年のノミネート作品は、文学ファンや書店員の間で大きな注目を集めています。今年の書店員たちは、どんな作品を「売りたい本」として選んだのでしょうか?

タイトル

著者名

出版社

早見和真

小学館

阿部暁子

講談社

山口未桜

東京創元社

一穂ミチ

小学館

野崎まど

講談社

金子玲介

講談社

恩田陸

筑摩書房

朝井リョウ

小学館

宮島未奈

新潮社

青山美智子

PHP研究所

アルプス席の母(早見和真/小学館)

アルプス席の母
アルプス席の母

アルプス席の母

著者
    早見 和真

小学館

¥1,700
まったく新しい高校野球小説が、開幕する。

秋山菜々子は、神奈川で看護師をしながら一人息子の航太郎を育てていた。湘南のシニアリーグで活躍する航太郎には関東一円からスカウトが来ていたが、選び取ったのはとある大阪の新興校だった。声のかからなかった甲子園常連校を倒すことを夢見て。息子とともに、菜々子もまた大阪に拠点を移すことを決意する。不慣れな土地での暮らし、厳しい父母会の掟、激痩せしていく息子。果たしてふたりの夢は叶うのか!?
補欠球児の青春を描いたデビュー作『ひゃくはち』から15年。主人公は選手から母親に変わっても、描かれるのは生きることの屈託と大いなる人生賛歌! かつて誰も読んだことのない著者渾身の高校野球小説が開幕する。


【編集担当からのおすすめ情報】
「この物語に救われる球児の母親がどれだけいることか。全母親が落涙必至」
吉田伸子さん(書評家)
など、事前に読んでくださった全国の書店員さんからも熱いメッセージが寄せられています。
商品詳細

高校野球の名門校を舞台に、応援スタンドからひたむきに声援を送り続ける母親を描いた感動作。母親の視点で紡がれるストーリーと、親子の絆の繊細な描写が心に深く響くと、書店員の間で話題となりました。

注目ポイント
・高校野球の熱気と母の愛情がリアルに伝わる
・早見和真ならではの丁寧な人物描写

カフネ(阿部暁子/講談社)

カフネ
カフネ

カフネ

著者
    阿部 暁子

講談社

¥1,700
☆2025年本屋大賞ノミネート☆

【第8回未来屋小説大賞】
【第1回「あの本、読みました?」大賞】

一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。
やさしくも、せつない。この物語は、心にそっと寄り添ってくれる。

法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた。弟が遺した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことに。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まっていく。
商品詳細

「カフネ」とはポルトガル語で「愛する人の髪にそっと手を入れる」などの意味。大都会の喧噪の中で生きる若者たちの友情と恋愛を、やわらかく繊細なタッチで描くヒューマンドラマ。

注目ポイント
・日常の何気ない場面を鮮やかに切り取る筆致
・共感度の高いキャラクター描写

禁忌の子(山口未桜/東京創元社)

禁忌の子
禁忌の子

禁忌の子

著者
    山口 未桜

東京創元社

¥1,700
デビュー作にして
2025年本屋大賞ノミネート!

投稿作であることも忘れ手に汗握った。
読者を没入させるストーリーテリングができる方だ
青崎有吾

とにかく書きっぷりが達者で、私は作品の半ばまで読んで
「これが今年の鮎川賞だな」と確信した
東川篤哉

良質なサスペンスドラマのように、主人公が歩みを進めるたびに
真相に近づいていく展開は見事のひと言
麻耶雄嵩

救急医・武田の元に搬送されてきた自身と瓜二つの溺死体。
彼はなぜ死んだのか、なぜ同じ顔をしているのか。
「俺たち」は誰なんだ。

現役医師が描く医療×本格ミステリ
第34回鮎川哲也賞、満場一致の受賞作

救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第三十四回鮎川哲也賞受賞作。
商品詳細

ファンタジー要素を加えつつ、人間の闇や差別をリアルに浮き彫りにする力作。生まれ持った「禁忌」の力をめぐる冒険譚であり、同時にアイデンティティの問題をえぐる社会派作品でもある。

注目ポイント
・読者を惹きつけるダークファンタジー
・深いテーマ性とエンタメ性の両立

恋とか愛とかやさしさなら(一穂ミチ/小学館)

恋とか愛とかやさしさなら
恋とか愛とかやさしさなら

恋とか愛とかやさしさなら

著者
    一穂 ミチ

小学館

¥1,600

プロポーズの翌日、恋人が盗撮で捕まった。

カメラマンの新夏は啓久と交際5年。東京駅の前でプロポーズしてくれた翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。「二度としない」と誓う啓久とやり直せるか、葛藤する新夏。啓久が”出来心”で犯した罪は周囲の人々を巻き込み、思わぬ波紋を巻き起こしていく。

信じるとは、許すとは、愛するとは。

男と女の欲望のブラックボックスに迫る、
著者新境地となる恋愛小説。

わたしの心と体を通ってきた、無数の、犯罪の名前が付かないたくさんの傷のことを考えた。苦しかった。読めてよかった。
――高瀬隼子(作家)

僕はこの物語を、生涯忘れることはありません。
――けんご(小説紹介クリエイター)

女性が置かれている地獄のある側面が突きつけられる。
――スケザネ(書評家)

【編集担当からのおすすめ情報】
第171回直木賞受賞(『ツミデミック』光文社刊)後、第一作。

全国の書店から過去最大級の反響が殺到し、発売即大重版!

自分だったらどうするだろう?
答えの出ない問いかけを、
何度も何度も繰り返して書きました。
――一穂ミチ

商品詳細

カメラマンとして働く新夏は、恋人・啓久からプロポーズを受ける。しかしその翌日、彼が盗撮で逮捕。2人の関係は大きく変化していきます。作中では、許しと愛の狭間で揺れる新夏の心情が繊細に描かれます。加害者や被害者、その周囲の視点から、人間関係の複雑さや信頼の意味を問いかける1冊です。

注目ポイント
・恋は人の犯罪を知った女性の揺れる心情を描く
・信頼と人間関係の難しさを問いかける

小説(野崎まど/講談社)

小説
小説

小説

著者
    野崎 まど

講談社

¥1,950
2025年本屋大賞ノミネート
「キノベス!2025」第3位
『ダ・ヴィンチ』(2025年2月号)今月の絶対外さないプラチナ本!
第8回ほんタメ文学賞2024年下半期あかりん部門ノミネート


「物語に救われ、読書に呪われた」
君はなぜ、小説を読むのか?


小説って楽しいし、小説ってなんだろうと考えさせられもした。この気持ちを読んだ人と共有したい。――凪良ゆう
「なぜ小説を読むのか?」の答えは小説好きも小説嫌いも頷かざる者あらんやというほど見事。――青崎有吾
読者を唖然とさせる飛躍とどんでん返しが待っていて、「小説」の意味を痛切に問い直す。――小川哲
この物語は、ストレートな小説賛歌である。――斜線堂有紀
何もかも投げ出して小説に没頭するうしろめたさを知るすべての人に捧げたい傑作。――大森望
小説を愛するすべての人に届くべき作品。――けんご



【あらすじ】
五歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。
一二歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会い、二人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。
そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしていく。
しかし、その屋敷にはある秘密があった。


読むだけじゃ駄目なのか。
それでも小説を読む。
小説を読む。
読む。
宇宙のすべてが小説に集まる。
商品詳細

タイトルが“そのまま”の意欲作。「小説とはなにか」を読み手に投げかけるメタフィクション仕立てで、物語が進むごとに読者自身が想像力を試されます。

注目ポイント
・斬新な構成で読む手が止まらない
・「物語」の本質に挑む、野崎まど流の挑戦

死んだ山田と教室(金子玲介/講談社)

死んだ山田と教室
死んだ山田と教室

死んだ山田と教室

著者
    金子 玲介

講談社

¥1,800
【本屋大賞2025ノミネート!】

青春と教室に囚われ続けている身に、なんて突き刺さる一冊。傑作です。ーー辻村深月

自分はなぜ生きているのか、自分はなぜ死なないのか、逡巡の中にいるすべての人へ。私がずっとデビューを待ち望んでいた新人の、ユーモアと青臭さと残酷さと優しさが詰め込まれた快作です。ーー金原ひとみ

【第65回メフィスト賞】
【本の雑誌が選ぶ2024年度上半期ベスト10第1位】
【第11回山中賞受賞】
【未来屋小説大賞第2位】
【王様のブランチBOOK大賞2024受賞】

二度と戻らない青春時代。
教室に響く声は生の証。

夏休みが終わる直前、山田が死んだ。飲酒運転の車に轢かれたらしい。山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、二年E組の人気者だった。二学期初日の教室。悲しみに沈むクラスを元気づけようと担任の花浦が席替えを提案したタイミングで教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきたーー。教室は騒然となった。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。〈俺、二年E組が大好きなんで〉。声だけになった山田と、二Eの仲間たちの不思議な日々がはじまったーー。


歴代メフィスト賞受賞者推薦コメント
死んでも終わらない山田の青春に、ぼくらは笑い、驚き、泣く。
(第21回受賞)佐藤友哉

くだらないのに楽しい。けれど、ほろ苦くて切ない。青春とは、山田である!!
(第49回受賞)風森章羽

最強を最強と言い切れる山田こそが最強で最高。
(第53回受賞)柾木政宗

こんな角度の切り口があったのかと驚かされ、こんな結末まであるのかと震えた!
(第59回受賞)砥上裕將

自分には経験がないはずの男子校での日々が、妙な生々しさで蘇ってきました。
(第61回受賞)真下みこと

ダサくて、眩しくて、切なくて。青春の全てと感動のラストに、大満足の一作。
(第62回受賞)五十嵐律人

校舎に忘れてきた繊細な感情を拾い上げてくれるような物語でした。
(第63回受賞)潮谷 験
商品詳細

クラスの人気者だった山田が事故で死んだ。悲嘆にくれるクラスに、ある日突然、「死んだ山田」が声だけとなって現れた。奇妙な存在を受け止めるクラスメイトたちの心理描写が秀逸で、「普通」とは何かを問いかける。

注目ポイント
・学園生活とホラー要素の絶妙なバランス
・死生観を意外な視点で捉えるストーリー

spring(恩田陸/筑摩書房)

spring
spring

spring

著者
    恩田 陸

筑摩書房

¥1,800
2025年 本屋大賞ノミネート!

構想・執筆10年――
稀代のストーリーテラーが辿り着いた最高到達点=バレエ小説

「俺は世界を戦慄せしめているか?」

自らの名に無数の季節を抱く無二の舞踊家にして振付家の萬春(よろず・はる)。
少年は八歳でバレエに出会い、十五歳で海を渡った。
同時代に巡り合う、踊る者 作る者 見る者 奏でる者――
それぞれの情熱がぶつかりあい、交錯する中で彼の肖像が浮かび上がっていく。
舞踊の「神」を追い求めた一人の天才をめぐる傑作長編小説。

史上初の直木賞&本屋大賞をW受賞した『蜜蜂と遠雷』や演劇主題の『チョコレートコスモス』など、
表現者を描いた作品で多くの読者の心を掴みつづける恩田陸の新たな代表作、誕生!
ページをめくるとダンサーが踊りだす「パラパラ漫画」付き(電子版には収録なし)
商品詳細

タイトルのとおり「春」をテーマに、恩田陸らしい幻想的な世界観が魅力のバレエをテーマとした長編小説。あたたかな季節の始まりとともに、少し不思議な出来事が次々と主人公たちを包み込む。

注目ポイント
・恩田陸の繊細で美しい文章表現
・日常がファンタジーに変わる瞬間の描写

生殖記(朝井リョウ/小学館)

生殖記
生殖記

生殖記

著者
    朝井 リョウ

小学館

¥1,700
『正欲』から3年半ぶりとなる最新長篇

とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。
体組成計を買うため――ではなく、寿命を効率よく消費するために。
この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。


【編集担当からのおすすめ情報】
<著者プロフィール>

朝井リョウ(あさい・りょう)
1989年、岐阜県生まれ。小説家。
2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2013年、『何者』で第148回直木賞、2014年、『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞、2021年、『正欲』で第34回柴田錬三郎賞を受賞。
その他の著書に『少女は卒業しない』、『世にも奇妙な君物語』、『死にがいを求めて生きているの』、『スター』など。
商品詳細

家族小説や青春小説で高い評価を得てきた朝井リョウが、新たに挑む、“生きることの根源”を描いた長編。人間関係や社会のあり方をかつて無い表現で問いかける話題作。

注目ポイント
・社会風刺が効いた巧みなストーリーテリング
・「生」の本質を多角的に掘り下げる

成瀬は信じた道をいく(宮島未奈/新潮社)

成瀬は信じた道をいく
成瀬は信じた道をいく

成瀬は信じた道をいく

著者
    宮島未奈

新潮社

¥1,600
唯一無二の主人公、再び。その前途、誰にも予測不能! 成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!? 読み応えますますパワーアップの全5篇!
商品詳細

2024年の本屋大賞受賞作『成瀬は天下を取りにいく』の続編的作品。悩みながらも行動を起こし、前に進み続ける主人公・成瀬の姿に勇気をもらえる1冊として熱い支持を得ている。

注目ポイント
・前作を読んでいなくても楽しめるストーリー構成
・宮島未奈の筆致がさらに進化

人魚が逃げた(青山美智子/PHP研究所)

人魚が逃げた
人魚が逃げた

人魚が逃げた

著者
    青山 美智子

PHP研究所

¥1,600

本屋大賞4年連続ノミネート!
今最注目の著者が踏み出す、新たなる一歩とは――。
幸福度最高値の傑作小説!

<STORY>
ある3月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。どうやら「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ。この場所に」と語っているらしい。彼の不可解な言動に、人々はだんだん興味を持ち始め――。
そしてその「人魚騒動」の裏では、5人の男女が「人生の節目」を迎えていた。12歳年上の女性と交際中の元タレントの会社員、娘と買い物中の主婦、絵の蒐集にのめり込みすぎるあまり妻に離婚されたコレクター、文学賞の選考結果を待つ作家、高級クラブでママとして働くホステス。

銀座を訪れた5人を待ち受ける意外な運命とは。
そして「王子」は人魚と再会できるのか。
そもそも人魚はいるのか、いないのか……。

商品詳細

ある週末、「人魚が逃げた」という言葉がSNSで話題になります。銀座の街をさまよう「王子」と名乗る青年の不可解な発言に、人々の関心が集まります。その裏では、人生の転機を迎えた5人の男女が、それぞれの想いを抱えて銀座を訪れていました。彼らの運命が交差する中、「人魚」の正体と、それぞれの人生の新たな扉が開かれていきます。

注目ポイント
・人生の転機を迎えた5人の選択が運命を動かす
・幻想的な銀座の街を舞台に、「人魚が逃げた」の謎が物語を導いていく綿密なストーリー

本屋大賞の選考プロセスを解説。いつ発表?

「本屋大賞」を受賞した作品は知っていても、具体的にどのような選考プロセスを経て決まるのか、いつ発表されるのかを詳しく知る人は意外と少ないのではないでしょうか?
ここでは、毎年行われる本屋大賞の選考フローと発表時期を紹介します。「どんな本を読もう?」「面白い作品を探したい」と思っている方は、発表のタイミングに合わせて注目してみると、新たな1冊と出会えるかもしれません。

選考・投票の流れ

第一次投票(11月~12月) 全国の書店員が「売りたい本」として最大5作品を推薦し、得票数の多い上位10作品がノミネートされます。
最終投票(2月中旬) ノミネートされた10作品の中から、書店員が「最も推したい1作品」を選び、最終的に合計ポイントが最も高い作品が「本屋大賞」として決定されます。

書店員の役割と視点

書店員は日々多くの本を扱い、直接読者と接する立場にあります。そのため、「本当に読者が求める作品」をリアルな感覚で把握できるのが強みです。

書店員が選ぶ本屋大賞は、「今の本のトレンド」そのものと言えます。売り場での反応やSNSでの話題性も考慮しながら投票するため、選ばれた作品は実際の売上や読者人気にも直結することが多いです。

また、書店では本屋大賞ノミネート作品や受賞作の特設コーナーが設置されるほか、店頭POPやSNSなどでの発信も積極的に行われます。書店員の視点があるからこそ、作品に大きな後押しが生まれるのです。

大賞発表のタイミング

本屋大賞の結果発表は、例年4月上旬~中旬に行われます。

発表スケジュール(過去の例)

2024年

4月10日

2023年

4月12日

2022年

4月6日

ノミネート作品は、毎年1月中旬に発表。その後の2〜3カ月間は、特に話題を集めます。 そして、4月の大賞発表を迎えると、受賞作が一気に売れ行きを伸ばし、多くの読者の手に取られる流れとなります。

2025年の大賞発表も、過去のスケジュールの傾向から4月上旬であると推測できます。気になる作品があれば、ノミネートの段階からチェックしてみてください。

受賞作品一覧

受賞年

作品名

作者

2024年

宮島未奈

2023年

凪良ゆう

2022年

逢坂冬馬

2021年

町田そのこ

2020年

凪良ゆう

2019年

瀬尾まいこ

2018年

辻村深月

2017年

恩田陸

2016年

宮下奈都

2015年

上橋菜穂子

2014年

和田竜

2013年

百田尚樹

2012年

三浦しをん

2011年

東川篤哉

2010年

冲方丁

2009年

湊かなえ

2008年

伊坂幸太郎

2007年

佐藤多佳子

2006年

リリー・フランキー

2005年

恩田陸

2004年

小川洋子

2024年:成瀬は天下を取りにいく / 宮島未奈

成瀬は天下を取りにいく
成瀬は天下を取りにいく

成瀬は天下を取りにいく

著者
    宮島未奈

新潮社

¥1,550
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。各界から絶賛の声続々、いまだかつてない青春小説! 中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。さらにはM1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言。今日も全力で我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない! 話題沸騰、圧巻のデビュー作。
商品詳細

幼馴染の成瀬が、周囲の期待や社会の枠を超えて突き進む物語。勉強ができるだけでなく、自由な生き方が彼女の大きな魅力で、「このままでいいのか?」と迷う人へのエールになる作品です。

コミカルな会話とリアルな高校生の描写が秀逸で、すがすがしい読後感も魅力。作者の宮島未奈は第11回「静岡書店大賞」小説部門大賞、第39回「坪田譲治文学賞」、第21回「本屋大賞」などを獲得した、注目の作家。映像化も期待されています。

2023年:汝、星のごとく / 凪良ゆう

汝、星のごとく
汝、星のごとく

汝、星のごとく

著者
    凪良 ゆう

講談社

¥1,600
☆2023年本屋大賞受賞作☆

【第168回直木賞候補作】
【第44回吉川英治文学新人賞候補作】
【2022王様のブランチBOOK大賞】
【キノベス!2023 第1位】
【第10回高校生直木賞候補作】

【ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2022 第3位】
【今月の絶対はずさない! プラチナ本 選出(「ダ・ヴィンチ」12月号)】
【第2回 本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞 ノミネート】
【未来屋小説大賞 第2位】
【ミヤボン2022 大賞受賞】
【Apple Books 2022年 今年のベストブック(フィクション部門)】
などなど、賞&ノミネート&ランクイン多数!

その愛は、あまりにも切ない。

正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。


ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。
商品詳細

地方の小さな島で育った暁海と櫂の、切なくも力強い愛の物語です。幼い頃から惹かれ合う二人が、社会の壁や家族の問題に阻まれながらも、それぞれの人生を歩んでいきます。

本作は第168回直木賞候補にも選出され、文学界でも高い評価を得た、映像化も期待される作品。青春小説や人間ドラマが好きな人におすすめです。

2022年:同志少女よ、敵を撃て / 逢坂冬馬

同志少女よ、敵を撃て
同志少女よ、敵を撃て

同志少女よ、敵を撃て

著者
    逢坂 冬馬

早川書房

¥1,100
激化する独ソ戦のさなか、赤軍の女性狙撃兵セラフィマが目にした真の敵とは──デビュー作で本屋大賞受賞のベストセラーを文庫化
商品詳細

第二次世界大戦下の旧ソ連を舞台に、女性狙撃兵として戦場に立つ少女を描いた歴史小説。母を殺された主人公・セラフィマが過酷な戦場で仲間とともに生き抜いていく姿が、緻密な戦闘描写とともに描かれています。

本作は第166回直木賞候補に選出され、第9回高校生直木賞も受賞。史実に基づいた重厚な物語で、戦争文学としても高く評価されています。作者の逢坂冬馬は、本作がデビュー作ながら異例のベストセラーとなり、一躍注目を集めました。

2021年:52ヘルツのクジラたち / 町田そのこ

52ヘルツのクジラたち
52ヘルツのクジラたち

52ヘルツのクジラたち

著者
    町田そのこ

中央公論新社

¥740
2021年本屋大賞第1位。待望の文庫化。

52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そ
のためこの世で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる。
〈解説〉内田剛
商品詳細

「誰にも届かない声を持つ者たちの物語」。52ヘルツの周波数で鳴く、仲間に届かない声のクジラになぞらえ、孤独を抱えた人々の交流を描いた物語。2023年に漫画化もされました。

人と人とのつながりの温かさに涙し、読み終えた後に優しい気持ちになれる作品です。

2020年:流浪の月 / 凪良ゆう

流浪の月
流浪の月

流浪の月

著者
    凪良ゆう

東京創元社

¥740

2020年本屋大賞受賞作
愛ではない。けれどそばにいたい。
新しい人間関係への旅立ちを描いた、
息をのむ傑作小説。

映画「流浪の月」原作
2022年5月13日(金)全国ロードショー
広瀬すず 松坂桃李
横浜流星 多部未華子
趣里 三浦貴大 白鳥玉季 増田光桜
内田也哉子 / 柄本明

監督・脚本:李 相日

最初にお父さんがいなくなって、次にお母さんもいなくなって、わたしの幸福な日々は終わりを告げた。すこしずつ心が死んでいくわたしに居場所をくれたのが文だった。それがどのような結末を迎えるかも知らないままに。だから十五年の時を経て彼と再会を果たし、わたしは再び願った。この願いを、きっと誰もが認めないだろう。周囲のひとびとの善意を打ち捨て、あるいは大切なひとさえも傷付けることになるかもしれない。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。

商品詳細

2023年の本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』でも注目を集めた、凪良ゆうによる著書。

誘拐された少女と、加害者とされた少年が社会の誤解に苦しみながら生きる物語。幼い頃に誘拐された更紗と、彼女を保護した大学生・文が共に過ごした日々が、世間の目によってねじ曲げられていきます。
本作は、2022年に広瀬すず、松坂桃李主演で映画化され、大きな話題に。人間ドラマや心理描写の巧みさが光る作品です。

2019年:そして、バトンは渡された / 瀬尾まいこ

そして、バトンは渡された
そして、バトンは渡された

そして、バトンは渡された

著者
    瀬尾まいこ

文藝春秋

¥770
家族よりも大切な家族

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。
その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない〝父〟と暮らす。
血の繋がらない親の間をリレーされながらも、出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。
大絶賛の2019年本屋大賞受賞作。
解説・上白石萌音
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2021年に映画化され、家族の形を考えさせる感動作として人気を集めた本作。

血のつながらない親たちに育てられた少女が、それぞれの「親」の愛を受けながら成長していく物語です。

決して普通とは言えない家庭環境の中でも、たくさんの愛情に包まれて生きる主人公の姿が温かく描かれた、心温まる小説を求めている人におすすめの作品です。

2018年:かがみの孤城 / 辻村深月

かがみの孤城
かがみの孤城

かがみの孤城

著者
    辻村深月

ポプラ社

¥1,800
かがみの孤城
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学校に居場所をなくした少女が、不思議な城に招かれるファンタジーミステリー。孤独な子どもたちが次第に心を開いていく過程が描かれ、誰もが共感できる感動作になっています。

2022年に劇場アニメ化され、細やかな心理描写が映像でも再現。ファンタジー要素と現実の問題をうまく融合させた物語で、幅広い世代におすすめです。

2017年:蜜蜂と遠雷 / 恩田陸

蜜蜂と遠雷(上)
蜜蜂と遠雷(上)

蜜蜂と遠雷(上)

著者
    恩田陸

幻冬舎

¥790
近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。
自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。
かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。
楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。
完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。
天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。
その火蓋が切られた。
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国際ピアノコンクールを舞台に、天才と呼ばれる若者たちが音楽でぶつかり合う物語。圧倒的な描写力で音の世界を活写し、まるで旋律が聴こえてくるような作品です。

本屋大賞と直木賞をW受賞した話題作。映画・漫画・舞台化もされ、音楽ファンからも高く評価されています。演奏シーンのリアルさと、才能がぶつかり合う熱量が圧巻。ピアノ経験者はもちろん、クラシックになじみがなくても楽しめる作品です。

2016年:羊と鋼の森 / 宮下奈都

羊と鋼の森
羊と鋼の森

羊と鋼の森

著者
    宮下奈都

文藝春秋

¥720

第13回本屋大賞、第4回ブランチブックアワード大賞2015、第13回キノベス!2016 第1位……伝説の三冠を達成!
日本中の読者の心を震わせた小説、いよいよ文庫化!

ゆるされている。世界と調和している。
それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律の世界に魅せられた外村。
ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、成長していく青年の姿を、温かく静謐な筆致で綴った感動作。

解説は『一瞬の風になれ』で本屋大賞を受賞した佐藤多佳子さん。

豪華出演陣で映画完成!
外村青年を山﨑賢人、憧れの調律師・板鳥を三浦友和、先輩調律師・柳を鈴木亮平、ピアニストの姉妹を上白石萌音、萌歌が演じています。6月8日公開。

「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」

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ピアノ調律師を目指す青年が、音の世界に魅了され成長していく物語。

ピアノを弾くのではなく「調律する」ことに焦点を当てた新鮮な視点と、静かで美しい文章が特徴で、楽器や音楽に詳しくなくても、ピアノの音が変わる瞬間の感動が伝わってきます。

派手な展開はないものの、読後には心が落ち着き、世界の見え方が少し変わるような作品です。

【後半】本屋大賞とは?2025年ノミネート作品と歴代受賞作のおすすめポイントを一挙紹介! はコチラ