• 第2回 書店員が選ぶノンフィクション大賞2024 大賞作品発表

第2回 書店員が選ぶノンフィクション大賞2024 受賞作品は、三宅香帆著『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)に決定いたしました。

  • 書店員が選ぶ ノンフィクション大賞2024受賞記念トークイベント


    読書離れは若者だけではない!

    「本好き以外」にも本を届ける方法

    三宅香帆 × 水野太貴 対談

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    開催日時:2024年11月13日(水)19:00~20:00(終了・アーカイブあり)

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なぜ働いていると本が読めなくなるのか

三宅香帆(著)/ 集英社(刊)

内容紹介

【人類の永遠の悩みに挑む!】
「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。
「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。
自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。
そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは? 
すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。

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  • 三宅香帆さんからのコメント


    働いている人が、書店に行きたくなる本を書きたい、……その一心で書いた本でした。

    今回の受賞は「この謎の新書を売ってみるか」と賭けてくださった、ひとりひとりの書店員さんのおかげです。

    いま、書店が厳しい状況に置かれているニュースを耳にするたび、胸が痛くなります。

    日本中で「あの本を買いたい」と書店へ足を運ぶ方を増やすことが、自分のミッションだと思っています。

    あなたが本を読みたくなる本を、これからも書き続けます。本当にありがとうございました!

  • ノミネート推薦コメント


    自分も社会人になって本を読む機会がめっきり減ってしまった。そんな読書人たちの悲痛な思いを深掘りした1冊だ。
    これを読めば仕事と読書を両立する方法が見つかるかも!忙しい社会人必読の一冊です。

    (丸善 日本橋店 / 芸術担当 / H.S.)

  • 書店員のおすすめコメント


    この本のタイトルを目にした時「グサッ」ときた。学生時代は四六時中本を読んでいたのに、本が好きで、本を読みたくて書店で働いているのに、朝から晩まで働いて、休日をダラダラ過ごしていたら、気づけば全然本を読めていない。「これではいかん」と姿勢を正して、今まで何度読書に向き直ってきたことか。私を悩ます本が読めなくなる現象の「なぜ」を追求してくれた一冊。この本を読んで改めて「読書」とは何なのかを考える事ができた。

    (丸善ジュンク堂書店 営業本部 / 仕入販売部 / Y.K.)

  • 事務局コメント


    若い人たちの読書離れが喧伝される中、本を売るという仕事に自信を失いかけていた矢先に、「本が読まれなくなる」ということが、必ずしも本の魅力や存在意義が薄れているのではなく、社会の在り方と日本人の労働の問題点に密接にかかわる社会問題である、ということに気づかされ、勇気付けられた1冊です。私たち本を売る者に、いかにして本を読める社会にしていくかというテーマをもたらしてくれた、まさに書店員が選ぶノンフィクション大賞にふさわしい傑作だと思います。

    (書店員が選ぶノンフィクション大賞事務局 / T.O)

書店員が選ぶノンフィクション大賞とは

「書店員が選ぶノンフィクション大賞」 は、「Yahoo!ニュース 本屋大賞 ノンフィクション本大賞」 が2023年に中止が発表されたことをきっかけに、2023年秋に丸善ジュンク堂書店が発起人となって新たに発足した書店員の投票によって選ぶ文芸賞です。
第1回の2023年度は、初回を記念し、「オールタイムベスト」 といたしました。

2023年「書店員が選ぶノンフィクション大賞 オールタイムベスト」特設ページ

(hontoサイトへジャンプします)


第2回の2024年度からは、その年に発行された書籍を対象といたします。(第2回の発行対象期間:2023年6月1日~2024年5月31日)
選書基準は、他の文芸賞とは異なり、あくまでも書店員が「もっとも売りたい」 と思う作品を選ぶものです。「ノンフィクション」 の対象範囲としては、いわゆるドキュメンタリーやルポルタージュといった狭義のノンフィクションにとどまらず、記録文学、自伝、評伝、考察、紀行文、インタビュー集、回想録など、翻訳を含め広い範囲のノンフィクションを対象としました。

選考過程

2024年度は丸善ジュンク堂書店のスタッフをはじめ、全国の書店員から候補作を募集し、その中から40作品をノミネート作品として選出し、丸善ジュンク堂書店全店で「書店員が選ぶノンフィクション大賞ノミネート作品フェア」を開催いたしました。

第2回 書店員が選ぶノンフィクション大賞2024 ノミネート作品フェア

(2024年9月1日(日) ~ 10月9日(水) 開催)


期間中に、丸善ジュンク堂書店スタッフをはじめ、2024年より共催の形で参加いただいた紀伊國屋書店のスタッフ、他多数の書店員による投票を行い、総勢481名による投票の結果、最多得票獲得作品として大賞作品が決定されました。