
ファンタジー小説おすすめジャンル別ガイド【2025年版】
ファンタジー小説は、私たちを非日常の世界へといざない、無限の想像力を掻き立ててくれます。
しかし、いざファンタジー小説を読もうと思っても、その種類の多さに戸惑ってしまう方もいるのではないでしょうか?
中世ヨーロッパの歴史ファンタジー、北欧神話の壮大な世界、AI技術が織りなすSFファンタジー、現代社会を風刺するダークファンタジー…。本記事では、これらの5つのテーマに沿って、それぞれの世界観を味わえるおすすめファンタジー小説を、ジュンク堂書店の書店員が厳選。
さらに、新作が期待される「FF(ファイナルファンタジー)」の小説版もご紹介。ゲームファン必見です!
ファンタジー小説の魅力とは?
「異世界に飛び込みたい!」「魔法や冒険の物語が好き」「ゲームの世界観をもっと深掘りしたい」――そんな方にぴったりなのが、ファンタジー小説です。
ファンタジー小説といえば、剣と魔法の冒険が定番ですが、それだけではありません。中世ヨーロッパのような世界観の「歴史ファンタジー」、テクノロジーと魔法が融合する「SFファンタジー」、人間の闇を描く「ダークファンタジー」、さらには『FFXVI』や『FFVII』の話題で盛り上がる「ファイナルファンタジー」の小説など、多彩なジャンルが揃っています。
この記事では、2025年におすすめのファンタジー小説をジャンル別にご紹介!あなたの「推しファンタジー」が見つかるかもしれません。
ファンタジー小説とは?定義や種類をざっくり解説
ファンタジー小説とは?
ファンタジー小説は、魔法や異世界、超常現象が登場する物語。現実ではありえない世界観が魅力で、読者を非日常の冒険へ連れていってくれるジャンルです。
ファンタジー小説の代表的なジャンル
ジャンル | 特徴 |
---|---|
中世ヨーロッパ歴史ファンタジー | 騎士、城、王国、封建制度が舞台。剣と魔法、壮大な戦記が楽しめる。 |
北欧神話ファンタジー | 神話や伝説を元にしたストーリー。神々や伝承生物が登場し、重厚な雰囲気が漂う。 |
AI×SFファンタジー | 科学技術と魔法が融合。AIが魔法使いのような役割を持つ作品も。 |
ダークファンタジー | 社会問題や人間の闇をテーマにした、シリアスで考えさせられる物語。 |
ファイナルファンタジー小説 | FFシリーズの世界観をさらに深掘り!ゲームの裏話やキャラの背景が知れる。 |
中世ヨーロッパや北欧神話…欧州をテーマにしたおすすめ作品4冊
中世ヨーロッパ風の世界観や、北欧神話をベースにした荘厳なストーリーは、ファンタジーの定番ともいえるジャンル。剣や魔法、騎士道などに憧れる方にはたまらない魅力があります。
おすすめ作品一覧
作品名 | 著者名 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
アーシュラ・K.ル=グウィン | 言葉の力や自己との葛藤がテーマの物語が好きな方 | |
ジョージ・R・R・マーティン | 権力争い、歴史のある壮大な物語を楽しみたい方 | |
C・S・ルイス | 親子で楽しみたい方、異世界に迷い込むワクワク感を味わいたい方 | |
J.R.R.トールキン | 重厚な世界観に没入したい方、ファンタジーの元祖を読みたい方 |
自分の影と向き合う魔法の旅
影との戦い ゲド戦記Ⅰ
ゲドがまだ未熟な魔法使いとして旅立つところから物語は始まります。言葉や名前が持つ魔力、そして自分の闇と対峙するテーマが深い感動を与えてくれます。アースシーの世界観はシンプルに見えて奥行きがあり、読み終えるころには「魔法を使えたらいいのに!」と思うはずです。
権力争いと人間ドラマの極み
七王国の玉座〔改訂新版〕 上
「ゲーム・オブ・スローンズ」の世界観を小説でもっと濃密に味わってみませんか?ウェスタロス大陸で繰り広げられる権力争いは、一度ハマると抜け出せなくなるほど重厚。人間ドラマが複雑に絡み合い、続きが気になって仕方なくなります。
洋服ダンスの奥に広がる異世界
ナルニア国物語1 ライオンと魔女
「異世界へ続く古い洋服ダンスを開ける」というワクワク感は、一生に一度は体験してほしい魅力です。子ども向けの印象が強いかもしれませんが、善と悪の戦い、成長、自己犠牲といったテーマが含まれ、大人が読んでも十分楽しめる深さがあります。文章がシンプルで読みやすいので、ファンタジー初心者にもおすすめです。
ファンタジーの元祖ともいえる作品
最新版 指輪物語1 旅の仲間 上
「ロード・オブ・ザ・リング」の原作として有名な、現代ファンタジー作品の祖(いしずえ)ともいえるシリーズ。長大な作品なため、ハードルが高く見えるかもしれませんが、読み進めるうちにトールキンが作り上げたエルフやドワーフ、魔法使いなどが登場する壮大な世界観にどっぷり浸れます。ファンタジー好きなら、挑戦してみたい作品です。
AI×魔法!?SFファンタジーで見る、近未来の冒険ができる4冊
AIが身近な存在となった今。テクノロジーと魔法が融合する不思議な世界観を描いたAI×SFファンタジーは、注目度が上昇中です。AIと人間が共存する未来は明るいのか、そうではないのか――。ワクワクしながらも、考えさせられる作品を紹介します。
作品名 | 著者 | こんな方におすすめ |
---|---|---|
ウィリアム・ギブスン | 近未来ディストピア、サイバーパンクが好きな方 | |
ロバート・A.ハインライン | 宇宙やAI×革命ストーリーに興味がある方 | |
テッド・チャン | AIと人間の共存に興味がある方、短編SFが好きな方 | |
カズオ・イシグロ | AI×ヒューマンドラマが好きな方 |
電脳空間とハッカーたちの戦い!近未来のサイバーパンク革命
ニューロマンサー
「サイバーパンク」というジャンルを確立した伝説的SF小説。
電脳空間(サイバースペース)で情報を操るハッカーたちの戦いが描かれ、ダークな未来都市の雰囲気がたまらない作品。映画『マトリックス』や『ブレードランナー』が好きな方には、特におすすめです。
AIが革命を起こす!?月面コロニーの独立戦争
月は無慈悲な夜の女王
「AIが独立革命を助ける未来」がテーマの、骨太なSFファンタジー。
月の植民地を支配する地球政府に対し、人間と意識を持ったAIが手を組んで革命を起こすストーリー。未来のAI技術がどう進化するのか、考えさせられる内容です。
人間とAIの境界線はどこにある?短編SFの傑作
息吹
SF短編の名手テッド・チャンによる作品集。
なかでも「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」は、AIを「子ども」として育てる未来を描いた傑作。「人間とAIの境界線って何?」という問いへの答えを示すだけでなく、読者に深い思索を促します。
AIロボットが見た、人間の愛と孤独の物語
クララとお日さま
ノーベル文学賞作家カズオ・イシグロによる感動作。 AIロボット「クララ」が、人間の家族と暮らす中で「愛とは何か?」を学んでいく物語となっており、SFでありながら温かく切ないストーリーに心を打たれます。
現代社会を映し出す、ダークファンタジーのおすすめ作品
「このまま未来が進むと、こんな世界になってしまうかもしれない…」という恐怖や不安が詰まったダークファンタジー。どこかで見たような現代社会の問題を、異形の世界観を使って映し出すのが大きな特徴です。
作品名 | 著者 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
ジョージ・オーウェル | 言論統制やプライバシー問題、自由の価値を考えたい方 | |
マーガレット・アトウッド | フェミニズム、社会風刺的なテーマに興味がある方 | |
カズオ・イシグロ | カズオ・イシグロ 切ない青春や命のあり方に興味がある方 | |
レイ・ブラッドベリ | 活字離れや情報消費の行きつく先に不安を感じる方 |
自由を奪われる恐怖がリアルに迫る
一九八四年 新訳版
ジョージ・オーウェルによる監視社会ディストピア小説の金字塔。全体主義国家のもとで個人の思考や言論の自由がどのように政府によって支配されていくかを描き出します。刊行から75年以上経った今も、そのテーマはますます現実味を帯びており、AI技術の発展による監視社会が現実になる可能性を読者に突きつけます。自由とは何かを深く考えさせられる、時代を超えた名作です。
近未来なのに過去に逆行する社会の恐怖
侍女の物語
マーガレット・アトウッドが描く、フェミニズム文学の金字塔。全体主義的な宗教国家が支配する近未来のアメリカで、女性たちは「侍女」として生殖の義務を負わされ、監視される人生を送ります。未来の物語でありながら、過去の女性抑圧の歴史に逆戻りする可能性を示唆し、読む者に戦慄を与えます。フェミニズムや社会問題に興味がある方におすすめの1冊です。
命の価値を問う、儚くも残酷な青春
わたしを離さないで
カズオ・イシグロが描く、切なくも深いヒューマンドラマ。臓器提供のために生まれたクローンの少年少女たちは、自分たちの人生に終わりがあることを受け入れながら成長していきます。淡々とした筆致がかえってその恐ろしさを際立たせ、生命や尊厳の本質について問いかけます。青春小説でありながら、哲学的な視点を持つ珠玉の1冊です。
本を燃やす未来社会、人間は何を失うのか
華氏451度〔新訳版〕
映像や音声による情報収集のみが支配する未来、書物を持つことが禁じられた社会を描いたレイ・ブラッドベリのディストピア小説。知識を持つことが危険とされる世界で、人々は娯楽だけに没頭していく…。現代のスマホ社会にも通じる警鐘を鳴らす作品であり、「知ること」「考えること」の大切さを改めて実感できるでしょう。
小説で「ファイナルファンタジー(FF)」の世界をもっと楽しもう!
「ファイナルファンタジー(FF)」シリーズは、RPGの代名詞ともいえる大人気作品。特に『FFXVI』『FFVII REBIRTH』の発売で、FFの世界観をもっと知りたい!と感じている方も多いはず。そんなFFファンの方には、小説版でキャラクターの過去やゲームでは語られなかった物語を楽しむのがおすすめです!
作品名 | 著者 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
スクウェア・エニックス | 『FFVII』ファン、キャラの背景を知りたい方 | |
スクウェア・エニックス | 『FFXV』の物語をもっと知りたい方 |
ティファとエアリスの知られざる過去
小説 FINAL FANTASY VII REMAKE Traces of Two Pasts
© SQUARE ENIX
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA/ROBERTO FERRARI
© 2021 Kazushige Nojima
「『FFVII』リメイク」で語られなかった、ティファとエアリスの過去に迫る物語!
2人の視点からそれぞれの人生を描くことで、ゲームでは見えなかったキャラの深い心情や背景が明らかになります。
「もっとティファ&エアリスのことを知りたい!」という『FFVII』ファンは必読です。
『FFXV』の“もう一つの結末”
小説 FINAL FANTASY XV -The Dawn Of The Future-
© SQUARE ENIX
MAIN
CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA
『FFXV』の“もう一つの結末”を知ることができる小説版。
ノクティス、ルナフレーナ、アーデンなど、主要キャラたちの未公開エピソードが追加され、ゲームでは描かれなかった「もう一つの未来」が紡がれます。
「『FFXV』が好きすぎて、物語の続きを知りたい!」という方にピッタリの1冊です。
あなたの「推しファンタジー」を見つけよう!
ファンタジー小説は、剣と魔法のクラシックな冒険だけではなく、AI×魔法の融合や社会問題を扱うダークファンタジーなど、多彩なジャンルがそろっています。
さらに、「ファイナルファンタジー」シリーズの小説版も充実しており、『FFXVI』や『FFVII』の話題で盛り上がる今だからこそ気になる1冊が見つかるはずです。
好きなジャンルを深掘りするもよし、新しい世界観に挑戦するもよし。あなたの「推しファンタジー」を見つけて、ワクワクする冒険の旅に出かけてみてください!
ご紹介した作品は、丸善ジュンク堂書店ネットストア でも取り扱っています。ぜひ本記事を参考に、気になる作品を探してみてください!