中学生におすすめの読書感想文向けの本15選!感想文を書くポイント
中学生になると、読書感想文を書くことが一段と難しく感じるもの。何を感じ、どう表現するかを悩む人も多いのではないでしょうか?この記事では、読書感想文を書きやすい本の選び方のポイントや、実際に感想文におすすめの書籍を紹介します。テーマがわかりやすく感情移入しやすいものや、メッセージ性が強く考えを深められる作品を厳選しているので、自分の気持ちを素直に表現できる一冊を見つけて、楽しい読書体験と感想文作成の参考にしてみてくださいね
中学生におすすめの読書感想文向け本の選び方
ここでは、中学生におすすめの読書感想文向け本の選び方について紹介します。
・テーマが普遍的かつ明確な本
・適度な長さと難易度の本
・感情移入しやすいキャラクターが登場する本
・読後に問いかけやメッセージが残る本
こちらで紹介する選び方を参考に、読書感想文の題材とする本を探してみて下さい。
テーマが普遍的かつ明確な本
読書感想文は、本を読んで自分の感じたことや考えたことを、文章としてまとめます。家族や友情などのテーマが明確でわかりやすい本は、自分の体験と重ね合わせやすく、考えを文章化しやすいでしょう。
例えば、友情をテーマにした作品では、友人と苦難を共に乗り越えることで生まれる、絆の大切さが書かれていることがあります。中学生にとって身近に起きやすいことで、感想文を書く際には、友達と困難に打ち勝つことで成長できた経験と結びつきやすいです。
家族や友情など、自身の経験を活かせる内容がテーマの作品は、読書感想文の本選びとして非常におすすめと言えます。
適度な長さと難易度の本
読書感想文を書く際は、長すぎず短すぎない適切な長さと難易度の本を選びましょう。
読書感想文では、本の内容をしっかりと理解し、自分の感じたことや考えたことをまとめる必要があります。ここで、長すぎる本だと読み終わるまでに時間がかかり、内容の整理が難しいです。また、難解な表現や専門的な言葉が多い本は、理解に苦労し感想を言語化できない部分が出てきます。
例えば、ページ数が400を超えるような大作だと、読み終えるだけで苦労し、内容を把握するだけで精一杯になるでしょう。また、哲学書を一例に読解が難しいと簡単に理解できないため、何を伝えたいのかがぼやけた感想文になりやすいです。
読書感想文を書くために本を選ぶ際には、無理なく読める本を選ぶことがおすすめです。
感情移入しやすいキャラクターが登場する本
自分の生活や考えと重ねやすく、感情移入しやすいキャラクターが登場する本を選ぶことで、読書感想文が書きやすいでしょう。
中学生は学校生活や友人関係など、多くの悩みや葛藤を抱えている人が多いです。同じような悩みを持つキャラクターや、成長の過程を描いたストーリーに出会うと、感情移入しやすく、考えを言語化しやすいです。
例えば、友人関係や家族との衝突をテーマにした作品では、キャラクターが抱える悩みや葛藤に強く共感できる場合があるでしょう。自分ごととして捉えられると「自分ならこう感じる」と考えられるようになるため、感想文にリアルな考えや気持ちが反映できます。
自分の生活や考えと重ね合わせやすいキャラクターが登場する本を選ぶことは、読書感想文が書きやすくなるのでとてもおすすめです。
読後に問いかけやメッセージが残る本
読後に問いかけが残る本であれば、読んで終わるのではなく「この考え方はどうだろう」と自然に考えるきっかけを得られます。そのため、感想文を書く際に、本の内容に関することだけではなく、自分の考えや感情をより反映させられるでしょう。
例えば、 家族のあり方や自分らしさについて問いかける本を読むとします。読後にメッセージがあると「自分だったらどうするだろう」といった問いが心に残るでしょう。読後に考えるきっかけを得られることは、感想文の内容に深みを持たせる助けになると言えます。
本編で感じたこと以外に、自分の考えや感じたことをより表現できるため、読後に問いかけやメッセージが残る本を選んでみてください。
読書感想文が書きやすい!中学生向けおすすめ本15選
中学生で、読書感想文が書きやすいおすすめの本として、以下の15冊がおすすめです。
1.誰も知らない のら猫クロの小さな一生
2.6days 遭難者たち
3.虹いろ図書館のへびおとこ
4.透明なルール
5.さよならを待つふたりのために
6.カラフル
7.モモ
8.怪物はささやく
9.きりこについて
10.アルジャーノンに花束を
11.センス・オブ・ワンダー
12.アウシュヴィッツの図書係
13.卵の緒
14.悪口ってなんだろう
15.目の見えない人は世界をどう見ているのか
1冊ずつ簡単に内容やおすすめの人を解説するので、これから読書感想文を書く人はぜひ参考にしてください。
1. 誰も知らない のら猫クロの小さな一生
のら猫たちの小さな命について深く考えさせられる1冊
のら猫がどのようにして生まれ、常に死と隣合わせで生きている過酷な環境で生きているかを教えてくれる本です。のら猫の平均寿命は、家猫の5分の1ほどの約3〜5年であると言われています。
のら猫の生涯を通して「自分自身はどう考えるのか」や「自分には何ができるのか」を一緒に考えられる物語が書かれています。感情移入しやすく、おもしろく読み進められます。
こんな人におすすめ
・猫を飼っている人
・命について考えさせる本を探している人
2. 6days 遭難者たち
実際に起こり得る遭難から友情の大切さを描いた作品
3人の女子高生が軽装で登山に出かけたところ、予定外の下山ルートに行ってしまったことから遭難し救助されるまでの6日間の話です。山に登ることには魅力があると同時に、甘く見てはいけないと痛切に伝えてくれます。
山での遭難の現実や、登場人物である女子高校生のそれぞれの現実と向き合いながら読み進められます。
こんな人におすすめ
・登山経験者
・山に興味がある人
3. 虹いろ図書館のへびおとこ
図書館での出会いが人生を変える物語
転校先でいじめに遭って不登校になった主人公が、図書館に居場所を見出して、少しずつ前に進む勇気をつけていく話です。主人公の家庭環境はとても複雑で、親に迷惑をかけたくない思いから、学校に行ったふりをして図書館で日々を過ごします。
味方になってくれる大人が身近にいてくれることの大切さや心強さを、主人公の成長と共に分かりやすく書かれた1冊です。
こんな人におすすめ
・図書館好きの人
・本を読むことが好きな人
・人間関係で悩んでいる人
4. 透明なルール
同調圧力をテーマにした名作
本書では、集団生活の中で少なからず存在する同調圧力や、それに対して必要以上に怖がってしまう人間の心理を「透明なルール」としています。
「人にどう思われるか」を気にしすぎる女子中学生が、転校生や学級委員との関わり、自分を縛る透明なルールに気づき立ち向かう物語です。思春期の中学生には状況の想像がしやすく、分かりやすい表現が多いことから読みやすいので、読書感想文に向いている1冊です。
こんな人におすすめ
・同調圧力に悩んでいる人
・学校生活に息苦しさを感じている人
5. さよならを待つふたりのために
映画化もされた若くしてガンを患った男女のラブストーリー
ガンと闘う恐怖や希望を、哲学的なエッセンスを加えて書かれている1冊です。いつ死ぬかわからない状態の中で、お互いを尊重することや、残される家族の事を想うなど、ガン患者としての繊細な心情が書かれています。
闘病を題材にしていますが暗い内容では無く、恋愛を軸にしたストーリーなのでとても読みやすいです。
こんな人におすすめ
・病気を抱えた経験がある人
・身近に病気を抱えたことがある人
6. カラフル
大人になっても読みたくなるジュブナイル小説の傑作
現世で過ちを犯して死んだ魂が、自殺した少年「小林真」の体に入り、生前の過ちを思い出すまで生きていく物語です。人には良くも悪くも色々な顔があり、一部分だけを見て決めつけないで、視野を広げる事が重要であることの大切さが書かれています。
家族や友人との関わりを通し、少しずつ自分の心と向き合っていく姿は、思春期の中学生の心にとても刺さる内容です。
こんな人におすすめ
・親世代の人
・思春期の学生
7. モモ
児童文学の中でも深い学びが得られる名作
現代社会の枠組みから外れた不思議な少女「モモ」が、時間泥棒に奪われた現代人の時間を取り戻す冒険ファンタジーです。
本書では、現代社会における時間と心の豊かさの関係を、独特の世界観を交えながら見直すきっかけを作ってくれます。働き方改革や週休3日制など、変化が激しい時代の中で、自分らしい人生を模索するすべての人に必読の1冊です。
こんな人におすすめ
・時間について改めて考えたい人
・何となく人生に充実感の無いと感じている人
・小学校高学年から中学生までの人
8. 怪物はささやく
心の闇に向き合いながら成長していく勇気の物語
少年コナーと、イチイの木の怪物の交流を通して、喪失と向き合う心の成長を描いたダークファンタジー小説です。
母親の病や学校での孤独など、少年コナーは誰にも言えない秘密を抱え苦しんでいるところに、怪物は3つの物語を語り聞かせます。児童文学ながら、人間の深い感情と向き合える大人のためのファンタジーで、年代問わず心温まる物語です。
こんな人におすすめ
・思春期の学生
・病気や認知症からの死別を経験している人
9. きりこについて
猫を愛する全ての人に贈る希望の物語
「きりこは、ぶすである。」という衝撃的な1行から始まり、飼い猫であるラムセス2世の視点から語られている物語です。
両親から愛され自信に満ち溢れていたきりこだが、初恋の相手にブスと言われ混乱し現実に直面します。男女がそれぞれ、異性や社会から求められると一般的に思われることがリアルに書かれているので、楽しく読み進められる1冊です。
こんな人におすすめ
・猫が好きな人
・自己肯定感が低い人
10. アルジャーノンに花束を
「人間の幸せとは」について考えられる、SF小説不朽の名作
本書の主人公チャーリイは重度の知的障害を持っていて、32歳になっても幼児並みの知能しかありません。「他の人と同じように賢くなりたい」と思っていた彼は、とある手術によって知能が飛躍的に向上します。手術によって天才へと変化したチャーリィですが、それまでの知能では理解できなかった、知りたくない事実を知ってしまうことに。
「本当の幸せとは何なのか?」を考えさせてくれる作品で、人生観を変えるきっかけをもらえる1冊です。
こんな人におすすめ
・人間に必要なものを深く考えたい人
・人の幸せについて深く考えたい人
11. センス・オブ・ワンダー
豊かな人生を送るために必要な事を見直したい人必読の1冊
甥っ子ロジャーとの自然体験を通して、子供たちの豊かな感性を育むことの大切さを説いた作品です。本書では、知識よりも豊かな感性や五感で自然を感じることが、子供たちの心を育む際に重要と訴えています。知識や情報が溢れる現代社会で、忘れそうになる大切なことを気づかせてくれる1冊です。
こんな人におすすめ
・自然が好きな人
・仕事や学校生活などで精一杯になっている人
・短い本を読みたい人
12. アウシュヴィッツの図書係
死と隣り合わせの場所で本の可能性に迫る物語
ドイツのアウシュビッツ強制収容所内に作られた学校で図書係を任された少女が、隠されていた8冊の本を守ろうと奮闘する生き様が書かれています。
本書では、本には「人に力を与える力」があるとし、物語を通して読書の持つ側面を語ってくれます。実話を基に書かれており、戦争の悲劇を忘れず平和の大切さを改めて感じられる著書です。
こんな人におすすめ
・若い人
・アウシュヴィッツに興味のある人
13. 卵の緒
家族の愛と絆を感じられる、心温まる1冊
自分を捨て子だと信じる少年と、彼を愛する母親の話で、互いを思い合う親子のひたむきな愛と絆を感じる温かい物語。短編集なので、普段読書をしない人でも読みやすい1冊です。
こんな人におすすめ
・短い本を読みたい人
・素直な気持ちや思いを相手に伝えることの大事さを改めて考えたい人
・心が疲れて癒しを求めている人
14. 悪口ってなんだろう
悪口という負の側面から人間の本質に迫る1冊
今の時代パワハラやセクハラなど、自分でも無自覚なまま加害者になる可能性があり、人と話すことが不安になることがあるでしょう。本書は、悪口を言語哲学的な観点から分析して、分かりやすく語られている1冊です。
普段の会話コミュニケーションに役に立つなど、学校生活での処世術が身につけられます。
こんな人におすすめ
・教員やコーチなど指導する立場の人
・人付き合いについて深く考えたい人
15. 目の見えない人は世界をどう見ているのか
視覚障害者がどのように世界を認識しているかを体験できる
視覚障害者へのインタビューを通して得られた、見えない世界の手触りを言語化した1冊。
視覚障害者の人や、見える立場の著者の言葉を駆使して、見えない人の世界の見方が丁寧に語られています。健常者には当たり前と感じる範囲でも、視覚障害者には分からない感覚のため、自身の価値観を振り返られるでしょう。
こんな人におすすめ
・身近に視覚障害者がいる人
・視覚が失われた世界がどのようなものであるかを知りたい人
読書感想文を書くための3つのポイント
ここでは、読書感想文を書くための3つのポイントについて紹介します
・構成をしっかり決める
・自分の意見をしっかり書く
・「コピペ」との違いを理解し引用を上手に活用する
読書感想文の執筆にとりかかる際は、こちらで紹介するポイントを意識することで、筆が進みやすくなるでしょう。ぜひ参考にしてみて下さい。
構成をしっかり決める
構成を決めていれば、感想文を書く際の方向性がはっきりし、書きやすくなるでしょう。
構成を事前に決めることで、文章の流れが整理され、伝えたい内容を明確にできます。例えば、「友情がテーマの物語」を読んで感想を書く場合、以下の3つに構成分けることで、場面ごとの感想が書きやすいです。
・あらすじ
・印象的な場面
・この本を通して学んだこと
また、書くべき内容がはっきりすることで、読者にとっても伝わりやすい文章になりやすいです。読書感想文を書く前に、構成をしっかり決めてから書きましょう。
自分の意見をしっかり書く
読書感想文を書く際は、本の内容をまとめるだけでなく、読んで感じたことや考えたことを自分の言葉で表現することが重要です。
読んだ内容をまとめるだけではなく、自分の意見をしっかり書くことで、本に対する独自の視点や感想が読み手に伝わります。
例えば、登場人物が困難に立ち向かうシーンが印象的だったとします。その際「勇敢に立ち向かう姿を見て、自分も挑戦することの大切さを学んだ」と具体的な考えを書くことで、読み手に感動が伝わりやすいです。自分独自の意見を交えることで、より個性的な感想文にできます。
感想文の評価は、自分が感じたことや考えたことがどれだけ的確に表現されているかで決まります。読んで感じた取ったことは、丁寧に言語化して書きましょう。
「コピペ」との違いを理解し引用を上手に活用する
読書感想文を書くときは、コピペ(コピー&ペースト)と引用の違いに注意して、文章力に説得力を持たせましょう。コピペは、作品や他者の感想文をコピーして、そのまま利用する行為です。引用は作品の一部を掲載する手法で、引用部分に対して自分の意見を述べるために利用します。
本の一部を引用することで、自分の意見だけを述べるよりも、感想文全体に説得力を持たせられます。しかし、引用の使い方を間違えると、内容をそのまま写しただけのコピペと見なされる可能性があるため、注意が必要です。
引用する際は、自分の意見を補強するために使うことを意識しましょう。あくまでも自分の意見が感想文の主体であることが大切です。また、引用部分を明確に区別して、どこからが自分の意見なのかを分かりやすくすることで、読み手に伝わりやすい読書感想文にできます。
引用を適切に活用し、本の魅力や気づきを伝えられる読書感想文を目指しましょう。